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こんにちは。ANGEL VIBESです。
突然ですが、Glyphs Miniの解説書、「Glyphs Mini & イラレでフォントデザイン〜アルファベット大文字編〜」を発売しました!

筆者のこのブログ、「FONT×DESIGN 基本の作り方」のGlyphs Miniについての記事をまとめた電子書籍になります。販売はAmazonとBOOTHにて。お試し版の無料配布も行なっています。下記からLet'sアクセス!

Amazon(Kindle版)/有料版
BOOTH(PDF版)/有料版
BOOTH(PDF版)/無料お試し版(1〜15ページ)

本書の内容です。

[概要]
・ページ数:全48ページ(お試し版以外の有料版)
・内容:Glyphs Miniの使い方。フォントの作り方。
・カラー:基本フルカラー(スミ1Cのページも数ページあり)
・価格:880円(税込)

今回、書籍化ということで、大幅にリニューアル・加筆修正しました。とにかくわかりやすくなればと心がけ、「フォント」とは何か? という基本的な部分も解説し、Glyphs Miniの理解に役立てようと考えました。
本書は、Glyphs Miniオンリーでは、おそらく日本初の解説書です。過去にデザイン雑誌等でGlyphs Miniの使い方についての掲載はありましたが、Glyphs Mini単体の解説本はまだなかったかと思います。
本書のねらいは、読者の方にフォントデザインの「基本の作り方」を知っていただくことです。本書をおススメする対象の方は、フォントデザイン初心者、それから、文字のデザインはできるけれどGlyphs Miniの使い方がわからないという方です。
今回は、極力基本的な解説に留めたいので、アルファベット大文字のデザインを学ぶ「アルファベット大文字編」としました。
本書で解説するフォントデザインは、Adobe Illustratorでベクター画像を作りGlyphs Miniに取り込むという流れで、このブログで解説してきた方法です。このブログの読者のみなさんにおかれても、フォントデザインの理解がより得られるかと思います。あらためて、一冊いかがでしょうか?

[Contents]

INTRODACTION
この本について

Chapter 1 フォントの基礎知識
 1.「フォント」とは何なのでしょう?
 2.「グリフ」にフォルムを与え「フォント」と成す
 3.アルファベット書体の基礎構成

Chapter 2 Glyphs Miniとは
 1.フォントデザインの方法は複数あるけれど…
 2.フォント編集アプリ「Glyphs Mini」ってどんなアプリ?
 3.Glyphs Miniの使いごこちは?

Chapter 3 フォントデザインの手順
 1.フォントデザインのおおまかな工程
 2.それぞれのSTEPについてのまとめ

Chapter 4 実際に作ってみる・前編
 1.ラフスケッチ▶︎フォントの図案決め
 2.ラフスケッチをトレース・清書▶︎下絵作成
 3.下絵をスキャン▶︎「下絵PSD画像」作成
 4.「3」をトレース▶︎「ベース・ベクター画像」作成
 5.「4」を取り込み用に編集▶︎「取り込み用ベクター画像」作成

Chapter 5 実際に作ってみる・後編
 6.Glyphs Miniの設定をする▶︎フォント編集・下準備
 7.Glyphs Miniに「5」を取り込む▶︎フォント編集・前半
 8.スペーシングとカーニングをする▶︎フォント編集・後半
 9.フォントファイルを書き出す▶︎フォントの完成

Column 「文字迷Q」
(1)「グリフ」と「グリフ」の間
(2)「emスクエア」は、活字の深淵に

資料

では、また!

こんにちは。ANGEL VIBESです。
先日、フォントデザインの作業動画を公開していることをお知らせしましたが、その進捗状況です。

現在、Adobe Illustratorでフォントの元となるベクター画像を作るところまで完了し、その画像をGlyphsに移すための下準備作業を始めたところです。

こんな感じです。

【フォントデザイン】レトロ感ある仮名フォントが完成するまで(10)〜Glyphsにベクター画像を移すための下準備(1)〜

こちらのブログでも解説してきた作業ですが、実際にどんな様子で作業をしているのかちょっと覗いて見ませんか? 「ああなるほど、こういうことか」などという発見があるかもしれませんよ。

まだ先になりますが、フォントが完成した際には、あらためてそれぞれのフェイズについて詳細に解説をする予定です。

では、また!

こんにちは。ANGEL VIBESです。
フォントデザインをするには、まず、その元となる一式の書体(タイプフェイス)の図案を作ります。一式の書体にするためには、各グリフの図案に共通するフォルムのパーツをデザインしなければなりません。フォントのデザインをするプロセスでは、無意識のうちにこの「共通パーツ」を作っていたりすると思いますが、この共通のフォルムとなっている図案の各部分を「エレメント」と言います。この「エレメント」がグリフの図案を成り立たせる要素になります。
フォントの書籍や作成ソフトでは、エレメントの名称を用いた説明やキャプションがあったりするので、ちょっとご紹介します。

「サンセリフ体」の「セリフ」とは?

「サンセリフ体」って聞いたことはありませんか? フォントの書籍でも時折見かける用語ですよね。これは、アルファベット書体の様式の種類を表しています。「サンセリフ体」の種類には、ヘルベチカ(Helvetica)やユニバース(Univers)、フーツラ(Futura)等があります。
「サンセリフ」は、もともとはフランス語の「Sans-serif」です。「Sans(サン)」はフランス語で「ない」を表します。「サンセリフ」で、「serif(セリフ)」が「ない」ということになります。なので、書体としては、セリフがない様式の種類ということになります。
ところでこの「serif(セリフ)」とは何でしょう。これこそエレメントの一種で、下の図にあるような出っ張った部分を指します。
「サンセリフ体」に対し、「セリフ」があるアルファベット書体の様式の種類は「セリフ体」と言います。「セリフ体」には「ガラモンド(ガラモンとも言う、Garamond)」や「キャスロン(Caslon)」等が該当します。この「セリフ体」と「サンセリフ体」を比べてみると、「セリフ」がどの部分かがはっきり判るかと思います。下の図をご覧ください。図で示している出っ張り部分は、「セリフ体」にはありますが、「サンセリフ体」にはありません。この出っ張り部分がエレメントの一種、「セリフ」というわけです。

「セリフ体」と「サンセリフ体」

このように、エレメントに関わる用語というのは、フォントデザインをしていると時折見かけることになりますので、主要なところだけでも覚えておいて損はありません。

「ステム」とは?

フォント作成ソフトの「Glyphs」には、「フォント情報」に「垂直ステム」「水平ステム」といった項目があります。
この「ステム(stem)」とは、下図で示すような縦方向に伸びる直線部分です。例えば「T」や「I」といったグリフの図案にみられるような縦方向の直線部分です。諸説あり、例えば「T」に見られるような横方向の直線部分を指す場合もあります。「Glyphs」では、縦方向に伸びる直線部分は「垂直ステム」、横方向に伸びる直線部分は「水平ステム」、そのような意味合いでそれらの用語が用いられています。
「ステム(stem)」も時折見かけるエレメントの名称なので、こちらも覚えておいて損はないと思います。

「エレメント」のいろいろ

「エレメント」の種類は、「セリフ」や「ステム」の他にもいろいろあります。「エレメント」で知らない名称が出てきたら、ちょっと参照してみてください。

「エレメント」のいろいろ

まとめ

  • 各グリフで共通のフォルムとなっている図案の各部分が「エレメント」、グリフの図案を成り立たせる
  • 「セリフ」は出っ張り部分で、「サンセリフ体」にはないエレメント
  • 「ステム」は「T」や「I」に見られる直線部分のエレメント

では、また!

こんにちは。ANGEL VIBES です。
前回の続きです。フォント関連のWebサイトや書籍で、フォントフォーマットに関してもよく目にする用語ってありませんか? 中でも、「OpenType Font」と「TrueType Font」は、よく目にしませんか?

 

フォントのよく見かける形式

DTPに用いるフォントには、そのフォーマットに種類があります。「OpenType Font」、「TrueType Font」などがそうです。フォントフォーマット(=フォント形式)に種類があるなど、なぜそんな面倒なことに…! とお思いの方もいるかも知れませんね。しかし、以前に比べれば、これでも種類が絞られて来た状態なのですよ…。
歴史を遡れば、フォントフォーマットには現在よりももっと種類があり、フォントデータの成り立ちが複雑でした。1つのフォントファイルに対し、セットでインストールが必要なスクリーン表示用の「スクリーンフォント」が必要だったり…。現在と比べれば、PCのHDには、フォントフォルダやファイルが複雑に乱立しているような状態でした。使いにくいという面もあり、AppleやAdobe等が、よりユーザビリティの高いフォントフォーマットを考案してきました。
現在主流なのは、「OpenType Font」、「TrueType Font」、この2つと言っていいでしょう。フォントフォーマットはだいぶん絞られて来たようです。とはいえまだ、「CID」というフォーマットも流通していて、デザインの実務の現場では見かけることがあります。しかし、「CID Font」は、モリサワ等のフォントベンダーが「OpenType Font」に置き換えて行っている流れがあります。したがって、DTPやDTPを念頭にフォントデザインをするなら、「OpenType Font」、「TrueType Font」を覚えておけば、とりあえずは充分だと思います。

 

「OpenType Font」とは?

「OpenType Font」は、DTPに用いるフォントでは現在主流になっているフォントフォーマットです。モリサワ等は「CID」(「NewCID」を含む)の後継に、「OpenType」を採用しています。「OpenType Font」は、MacでもWindowsでも使用が可能なクロスプラットフォームとなっています。今では当たり前のようになっていますが、「OpenType」ができる以前は、同一のフォントデータをMacにもWindowsにもインストールして使用できるわけではありませんでした。また、「OpenType Font」は、1つのフォントにつき1つのフォントファイルという仕様になっています。これももはや当たり前ですが、古いフォントフォーマットでは、1つのフォントにつき、セットでいくつかのフォントファイル(たとえばスクリーンフォントのような)のインストールを必要とする種類もありました。かつてを思えば、フォントは扱いやすくなったものです。

 

「TrueType Font」とは?

「TrueType Font」は、MacでもWindowsでも使用され、フォントの黎明期からある最も親しまれて来たフォントフォーマットの1つです。MacがOS Xになってからは、一応は、Windows用の「TrueType Font」もMac上で動かすことは可能になりました。とはいえ、ライセンス面の問題などがあるので、現実的には各フォントごと確認が必要ですし、あまり古いWindows用の「TrueType Font」なら、OS XであってもMac上では動かない可能性がゼロとは言えません。
「OpenType Font」には、技術的に「TrueType Font」をベースにしている種類も含まれます。「TrueType Font」は将来的には、「TrueType Font」の発展型である「OpenType Font」に置き換わって行くかも知れません。ただ現実的には、今のところは「TrueType Font」もまだまだ現役といった印象です。「OpenType Font」が流通するより以前に入手した「TrueType Font」が、OS Xでもまだ普通に使える場合もあります。
実際、私もタイプフェイス的に気に入って使用している古い「TrueType Font」があります。気に入ったフォントは簡単に捨てられないですものね。使える限りは使います。いや、使えなくなると、それはそれで困りものです。

 

アウトライン化は?

「OpenType Font」も「TrueType Font」も、多くはアウトライン化は可能です。DTPで実際に印刷会社さんに入稿する時は、フォントについてはアウトライン化を勧められることもしばしばあるので、印刷会社さんごとに要確認です。

 

まとめ

  • 現在のフォントフォーマットの主流は「OpenType Font」と「TrueType Font」
  • 「OpenType Font」はMacでもWindowsでも使用が可能
  • 「TrueType Font」はMacでもWindowsでも黎明期から使用されてきた

では、また!