こんにちは。ANGEL VIBESです。「字詰め」は、グラフィックデザインにおいて重要な要素であるとお話してきました。単純化した形が三角形になる文字の周りは、アキが出やすいので要チェックということでしたね。
適切な字詰めのためにはコツが要るわけですが、その辺りについて、もう少し詳しくお話しておきます。

 

「適切な字詰め」とは?

前回に少し触れましたが、「適切な字詰め」とは、文字部分を全体的に見て、文字間のアキのバランスが整っている文字の配置です。アキが、どこかの部分だけ詰まって見えたり、逆に間が空いて見えたりしないよう、バランスが良い状態にまで調整して適度な間(ま)をとります。そのためには、文字を単純化して◯、△、□として捉えて調整してみようということでしたね。
「適切な字詰め」を覚えてしまえば、今度はあえてタイトル周りだけはキツキツに詰めてみたり逆にゆるゆるにしてみたり、そして本文は、通常の詰めにしておいたり、レイアウト全体で字詰にメリハリを効かせたタイポグラフィができるようになります。
ただ、その文字間のアキの「バランスが整った状態」がいまいち判らない、という方もいらっしゃるかもしれませんね。でも心配はありません。日頃から「バランスが整った状態」の文字のレイアウトを見るようにしていれば、自然に判るようになります。

 

「バランスが整った字詰め」の参考資料

ロゴタイプやタイトル部分の字詰めについては、日常的に目に入るものは気にして見るようにしておきましょう。本屋さんに行って、本や雑誌に載っているロゴタイプやタイトル部分をチェックしてみるという手もありますね。ネットで探しても良いでしょう。
それから、以前もお話した基本の基本です。自分の足で歩くこと。ナイスな字詰めを求めて、リーフレットやフリーペーパーを収集したり写真をとったりしに、お出かけしてみましょう。
とにかく、いいな! と思ったロゴタイプは覚えておきましょう。ネタ帳にメモしておいて、後で眺めてみると、気がつくことがあったりするものですよ。
一方、本文の部分については、インターネットが始まってからの問題もちょっと抱えてます。ネットの記事の本文は、90年代末頃に比べると、随分きれいな字詰めが実現するようになりました。でも、私はぬるさを感じています。私ぐらいの世代は電算写植の文字を見て育ってしまったので、そうならざるを得ないのです。Webデザインにおける本文は、手動での詰めがない、プログラムだけの判断による字詰めとなります。職人の手による電算写植のきめ細やかさにはかなわないという部分があります。今や、ネット記事の本文は日頃から最も目にする本文となってるかもしれませんが、もっと美しい字詰めの本文があることは覚えておいた方が良いと思います。
電算写植は版下に使われました。デザイナーなどが版下を作る時に写植業者さんに発注し、文字部分だけを印画紙に打ってもらっていました。写植業者さんは文字を打つのを専門にする職人さんなので、字詰めも見事でした。1990年代半ばぐらいまでの雑誌やリーフレットには、本文も含めて文字部分が写植のものがありました。
古本屋さんなどからあの頃の美しい字詰めの文字の雑誌などを収集し、とりあえず美しい字詰めを覚えておきましょう。

 

漢字は仮名文字より大きい傾向で詰まって見えやすい

「適切な字詰め」、あとは見て覚えましょう。と言おうかとも思いましたが、ちょっと基本のところだけコツをお話しておきますね。
書体にもよりますが、漢字は仮名文字より大きい傾向で詰まって見えやすいです。なので、漢字が集まっている部分は少しアキを広くする、あるいは、仮名文字部分のアキを狭くする。そんな調整をするとバランスが良く見えます。

 

仮名文字の小文字の周りはアキが出やすい

ひらがな、カタカナといった、仮名文字の小文字の周りはアキが出やすいです。特に、小文字が2つ連続する時はアキが出やすいので要チェックです。

 

「す」+句読点

句読点の周りはアキが出やすいです。「す」の後に句点がある時(要するに「〜す。」)など、書体によっては気になるアキが出ます。句点を「す」に寄せた方がバランスが良く見えます。同様のことは、「う」「り」「ト」等があてはまります。この辺も要チェックですね。

 
字詰めしてみました

 

まとめ

  • 漢字は仮名文字より大きい傾向で詰まって見えやすい
  • 仮名文字の小文字の周りはアキが出やすい
  • 「す」「う」「り」「ト」等の後の句読点も要チェック

では、また!

こんにちは。ANGEL VIBESです。フォントデザインにご興味をお持ちの皆さんは、タイポグラフィについてもご興味をお持ちになるのではないでしょうか?
「タイポグラフィ」は簡単に言ってしまえば、文字や文字周りのデザインですが、そもそも、グラフィックデザイン全般において重要な要素となっています。今日はタイポグラフィのお話をしておこうかと思います。

 

タイポグラフィとは?

「タイポグラフィ」(typography)とは、「日本大百科全書」によれば、「印刷物の体裁に影響を及ぼす、文字の書体、大きさ、配列のしかたなど、視覚効果の総称。」です。最初に言ったように、文字や文字周りのデザインと考えて差し支えないでしょう。書体そのもののみならず、文字のレイアウトも含み、「字詰め」や「行間」の調整もその要素です。
文字を含むグラフィックデザインのジャンルであれば、タイポグラフィは避けて通れません。フォントデザインやロゴデザインの、文字そのもののデザイン、また、パッケージデザインの商品名、エディトリアルデザインの文字部分・・・、文字はグラフィックデザインの様々なジャンルのデザイン要素となっています。グラフィックデザインはタイポグラフィ抜きに語れないのです。
それを考えれば、タイポグラフィを制すればグラフィックデザインをも制することができる、と言えるわけです。

 

タイポグラフィの基本

タイポグラフィ、つまり文字周りのデザインについてですが、基本中の基本だけのお話にしておきます。なぜかというと、デザインに正解はない、というのが私のデザインについての考え方なので。時代とともに正解を新しく考案していくのがデザインとも言えるでしょうし。デザインツールの使い方と異なり、私が考えている「こうあるべき」というデザインの理想を誰かに押し付けることには、ほとんど意味がないでしょう。
そんなこともあるので、基本中の基本だけのお話にしておきます。

・文字の大・中・小のメリハリをつける
・本文の文字の平均的な大きさの目安は9ポイント(約13級)
・本文の1行に入る文字数のMAXは32文字
・本文の行間の平均的な大きさは文字の大きさの1.5倍程度
・適切な書体を選ぶ
・適切な字詰め行間の調整をする
・若い層向けなら本文小さめ・字詰めキツキツでOK
・中高年層向けなら本文は平均の大きさ以上・字詰めはキツくしすぎない
・まずタイトル周りのデザインをしっかり決めてしまう
・なるべく読みやすい字切りにする

タイポグラフィで注意する基本項目はこんなところです。

上記項目について、詳細を解説したいと思いますが、いきなり理論に行くのはやめておきましょう。理論通り作業したからといって、デザインがうまくいくわけでもないですから。
それよりも、資料集め兼がね遊びに行きましょう!

 

資料集めに出かけましょう

デザインで何が大事かというと「カッコイイ!」とか「カワイイ!」とか、そういったワクワク感だと思います。そういった感覚的な何かが伝わるデザインは、生き生きして見えます。まずは、自分の感覚というものを確かめる作業をしてみましょう。
では、自分の感覚を確かめるには? となりますが、まず、気になったタイポグラフィのコレクションをしてみましょう。もう、遊びのつもりでOKです! 遊びの感覚で資料集めに出かけてみましょう。
資料集めなら、インターネットでも良いしピンタレスト巡りをしてピンをして回っても良いですが、お散歩がてらあるいはウィンドウ・ショッピングがてらでも構いません、外出をおススメします。
デパート等の好きなショップに行ったりすると、偶然素敵なカタログやリーフレットに出会えたりするものです。気に入ったものはいただきましょう。もちろん万引きはいけませんが、「自由にお持ちください」という無料のカタログ等も置いてありますので。
野外の看板等の写真を撮って回るのも面白いですよ! 世の中、変テコリンなデザインの何かが結構あるもので、普段見過ごしていたりもします。歩いていると、そういったデザインに気づいたりして、驚きがあります。
そんな感じで自分のコレクションが出来て行くわけですが、そういったことをしているうちに、自分の感覚が解って来ます。自分のデザインの理想はこんなかんじだなあ、と。そして「こんなデザインがしたい」と思い理想を形にする時、「本文って通常どれくらいの大きさなのだろう」などと気になる部分が出てくるかと思います。その時、先ほどあげた、タイポグラフィで注意する基本項目をチェックしてみても遅くはありません。
肩の力を抜いて、ラクに楽しく行きましょう。タイポグラフィは本来面白いものなのですから。

先日筆者が観に行った「ベルギー奇想の系譜展」のショーウィンドウ
メリハリが効いたタイポグラフィですね!

 

ショーウィンドウの隅っこにはこんな子が! シャレてますね!

 
続きは次回。

 

まとめ

・タイポグラフィとは文字や文字周りのデザインのこと
・タイポグラフィはグラフィックデザインの重要な要素
・まず、気になったタイポグラフィのコレクションをしてみましょう

ではまた!