こんにちは。ANGEL VIBESです。前回はタイポグラフィのコレクションをしに外出してみようよ、というお話で終わりましたね。タイポグラフィを収集する方法はそれだけではありません。さりげに買ったお菓子のパッケージ、あるいは深夜に観たアニメや映画の中にも優れたタイポグラフィが埋もれています。
本当は、タイポグラフィで注意する基本項目について解説しなければならないのですが、それは後でも大丈夫なので、今日は別のお話をしておきます。
筆者が思った、「これイイ!」というタイポグラフィを紹介します。

 

気に入ったタイポグラフィは普段からチェック

デザインの勉強をしていると、「普段からアンテナを張っておけ」というアドバイスをされたことはありませんか? あるいはデザイン系の書物にそう書いてあったり。そのとおりではありますが、そんなに肩に力を入れなくて良いですよ。ラクに行きましょう。ただ、ご自分で、「あっ、これイイ」と少しでも思ったら、チェックしておきましょう。できるなら、収集しコレクションにしておきましょう。
スーパーで買ったお菓子のパッケージでも良いです、深夜に観たアニメや映画の文字の使い方でも良いです。ご自分が正直に「これイイ!」と思った何かは要チェックです。
ちなみに、筆者が最近「イイ!」と思ったのは、明治のチョコレートのパッケージ。スタイリッシュで、これならパッケ買いしてしまいますね。チョコは大人味で、もちろん美味しいです!
 

明治のチョコレートのパッケージ。
画面構成・色のバランス、フォントの選択、紙の選択も見事ですね。

 

「新世紀エヴァンゲリオン」のタイポグラフィ

1990年代後半に、「新世紀エヴァンゲリオン」の深夜再放送がありました。あの直後、エヴァっぽいタイポグラフィがグラフィックデザインの業界の中でちょっとしたブームでした。極太の明朝体を使い、極端なまでに文字の大小のメリハリをつけ、時には長体をかけ、文字の配置の仕方は「第○話」のテロップのような。
エヴァ的な影響が見られるタイポグラフィは、あの直後、巷のリーフレットやカタログで散見できました。当時筆者が在籍していた事務所のデザイナーも用いてました。いくら黙っていようと、デザイナーならあの文字の組み方を見ればわかりますよ。「あなたもエヴァンゲリオンを観たのね」と。
あの手の文字の配置の仕方や効果的な明朝体の使い方は、それ以前から「ぽい」ものならありました。しかし、エヴァでは随分キャッチーなデザインに昇華し、センセーショナルでした。
「新世紀エヴァンゲリオン」をとりまくこうした一件は、タイポグラフィが優れていた一方、それに感動し食いついてしまったデザイナーも多かったのだということを示していると思います。筆者もデザイナーとして心躍らされた一人です。それだけ、あのタイポグラフィがオーラを放っていたといことでもあります。
こういった優れたタイポグラフィは日常に潜んでいるのですよね。日常の中でも「これイイ!」ってなってしまうデザインは、見過ごさないようにしたいものです。
ちなみにエヴァで使用しているあの極太明朝のフォントですが、フォントメーカー「フォントワークス」の「マティスEB」です。

画像出典:「フォントワークス」サイト(https://fontworks.co.jp/products/font/evamatisse

 

映画のタイトルも要チェックです

映画のタイトルにも秀逸なタイポグラフィがかなり潜んでいます。映画好きの方なら、ちょっと気にして見て見ると良いですよ。
タイポグラフィの中で重要な要素に「字詰め」があります。これは文字と文字の間のアキを調整することを指します。もっと丁寧に「文字詰め」と言ったりもしますし、Adobeのソフトに倣って「カーニング」と呼んだ方が今時しっくり来るかもしれませんね。
この「字詰め」ですが、これが絶妙なタイポグラフィの例があります。1970〜80年代の角川映画のタイトルロゴのデザインが、まさにその例です。
太いゴシック体に字詰めキツキツのタイトルロゴです。文字と文字がくっつかんばかりで1970〜80年代の流行だったのでしょうが、「字詰め」の重要さが良くわかる例です。
「野生の証明」(高倉健主演)とか「復活の日」(草刈正雄主演)とか、ナイス字詰めです。書体自体は太いゴシック体のシンプルなデザインだったりしますが、映像に合った緊張感があります。タイトルロゴのデザインは、装飾を施して「盛る」手法もあります。しかし、禁欲的に字詰め一つの器量でここまでやれてしまうこともあるんですね。それはまるで、シンプルな坊主頭で通しながらいい男で居続けた、高倉健さんにも通じるところがありますね。

 

まとめ

・日常の中にも優れたタイポグラフィは埋もれている
・1970年〜80年代の角川映画のタイトルロゴの字詰めはナイス
・「新世紀エヴァンゲリオン」のタイポグラフィに魅了されたデザイナーは多かった(と思う)

ではまた!

こんにちは。ANGEL VIBESです。フォントデザインにご興味をお持ちの皆さんは、タイポグラフィについてもご興味をお持ちになるのではないでしょうか?
「タイポグラフィ」は簡単に言ってしまえば、文字や文字周りのデザインですが、そもそも、グラフィックデザイン全般において重要な要素となっています。今日はタイポグラフィのお話をしておこうかと思います。

 

タイポグラフィとは?

「タイポグラフィ」(typography)とは、「日本大百科全書」によれば、「印刷物の体裁に影響を及ぼす、文字の書体、大きさ、配列のしかたなど、視覚効果の総称。」です。最初に言ったように、文字や文字周りのデザインと考えて差し支えないでしょう。書体そのもののみならず、文字のレイアウトも含み、「字詰め」や「行間」の調整もその要素です。
文字を含むグラフィックデザインのジャンルであれば、タイポグラフィは避けて通れません。フォントデザインやロゴデザインの、文字そのもののデザイン、また、パッケージデザインの商品名、エディトリアルデザインの文字部分・・・、文字はグラフィックデザインの様々なジャンルのデザイン要素となっています。グラフィックデザインはタイポグラフィ抜きに語れないのです。
それを考えれば、タイポグラフィを制すればグラフィックデザインをも制することができる、と言えるわけです。

 

タイポグラフィの基本

タイポグラフィ、つまり文字周りのデザインについてですが、基本中の基本だけのお話にしておきます。なぜかというと、デザインに正解はない、というのが私のデザインについての考え方なので。時代とともに正解を新しく考案していくのがデザインとも言えるでしょうし。デザインツールの使い方と異なり、私が考えている「こうあるべき」というデザインの理想を誰かに押し付けることには、ほとんど意味がないでしょう。
そんなこともあるので、基本中の基本だけのお話にしておきます。

・文字の大・中・小のメリハリをつける
・本文の文字の平均的な大きさの目安は9ポイント(約13級)
・本文の1行に入る文字数のMAXは32文字
・本文の行間の平均的な大きさは文字の大きさの1.5倍程度
・適切な書体を選ぶ
・適切な字詰め行間の調整をする
・若い層向けなら本文小さめ・字詰めキツキツでOK
・中高年層向けなら本文は平均の大きさ以上・字詰めはキツくしすぎない
・まずタイトル周りのデザインをしっかり決めてしまう
・なるべく読みやすい字切りにする

タイポグラフィで注意する基本項目はこんなところです。

上記項目について、詳細を解説したいと思いますが、いきなり理論に行くのはやめておきましょう。理論通り作業したからといって、デザインがうまくいくわけでもないですから。
それよりも、資料集め兼がね遊びに行きましょう!

 

資料集めに出かけましょう

デザインで何が大事かというと「カッコイイ!」とか「カワイイ!」とか、そういったワクワク感だと思います。そういった感覚的な何かが伝わるデザインは、生き生きして見えます。まずは、自分の感覚というものを確かめる作業をしてみましょう。
では、自分の感覚を確かめるには? となりますが、まず、気になったタイポグラフィのコレクションをしてみましょう。もう、遊びのつもりでOKです! 遊びの感覚で資料集めに出かけてみましょう。
資料集めなら、インターネットでも良いしピンタレスト巡りをしてピンをして回っても良いですが、お散歩がてらあるいはウィンドウ・ショッピングがてらでも構いません、外出をおススメします。
デパート等の好きなショップに行ったりすると、偶然素敵なカタログやリーフレットに出会えたりするものです。気に入ったものはいただきましょう。もちろん万引きはいけませんが、「自由にお持ちください」という無料のカタログ等も置いてありますので。
野外の看板等の写真を撮って回るのも面白いですよ! 世の中、変テコリンなデザインの何かが結構あるもので、普段見過ごしていたりもします。歩いていると、そういったデザインに気づいたりして、驚きがあります。
そんな感じで自分のコレクションが出来て行くわけですが、そういったことをしているうちに、自分の感覚が解って来ます。自分のデザインの理想はこんなかんじだなあ、と。そして「こんなデザインがしたい」と思い理想を形にする時、「本文って通常どれくらいの大きさなのだろう」などと気になる部分が出てくるかと思います。その時、先ほどあげた、タイポグラフィで注意する基本項目をチェックしてみても遅くはありません。
肩の力を抜いて、ラクに楽しく行きましょう。タイポグラフィは本来面白いものなのですから。

先日筆者が観に行った「ベルギー奇想の系譜展」のショーウィンドウ
メリハリが効いたタイポグラフィですね!

 

ショーウィンドウの隅っこにはこんな子が! シャレてますね!

 
続きは次回。

 

まとめ

・タイポグラフィとは文字や文字周りのデザインのこと
・タイポグラフィはグラフィックデザインの重要な要素
・まず、気になったタイポグラフィのコレクションをしてみましょう

ではまた!