こんにちは。ANGEL VIBESです。前回はタイポグラフィのコレクションをしに外出してみようよ、というお話で終わりましたね。タイポグラフィを収集する方法はそれだけではありません。さりげに買ったお菓子のパッケージ、あるいは深夜に観たアニメや映画の中にも優れたタイポグラフィが埋もれています。
本当は、タイポグラフィで注意する基本項目について解説しなければならないのですが、それは後でも大丈夫なので、今日は別のお話をしておきます。
筆者が思った、「これイイ!」というタイポグラフィを紹介します。

 

気に入ったタイポグラフィは普段からチェック

デザインの勉強をしていると、「普段からアンテナを張っておけ」というアドバイスをされたことはありませんか? あるいはデザイン系の書物にそう書いてあったり。そのとおりではありますが、そんなに肩に力を入れなくて良いですよ。ラクに行きましょう。ただ、ご自分で、「あっ、これイイ」と少しでも思ったら、チェックしておきましょう。できるなら、収集しコレクションにしておきましょう。
スーパーで買ったお菓子のパッケージでも良いです、深夜に観たアニメや映画の文字の使い方でも良いです。ご自分が正直に「これイイ!」と思った何かは要チェックです。
ちなみに、筆者が最近「イイ!」と思ったのは、明治のチョコレートのパッケージ。スタイリッシュで、これならパッケ買いしてしまいますね。チョコは大人味で、もちろん美味しいです!
 

明治のチョコレートのパッケージ。
画面構成・色のバランス、フォントの選択、紙の選択も見事ですね。

 

「新世紀エヴァンゲリオン」のタイポグラフィ

1990年代後半に、「新世紀エヴァンゲリオン」の深夜再放送がありました。あの直後、エヴァっぽいタイポグラフィがグラフィックデザインの業界の中でちょっとしたブームでした。極太の明朝体を使い、極端なまでに文字の大小のメリハリをつけ、時には長体をかけ、文字の配置の仕方は「第○話」のテロップのような。
エヴァ的な影響が見られるタイポグラフィは、あの直後、巷のリーフレットやカタログで散見できました。当時筆者が在籍していた事務所のデザイナーも用いてました。いくら黙っていようと、デザイナーならあの文字の組み方を見ればわかりますよ。「あなたもエヴァンゲリオンを観たのね」と。
あの手の文字の配置の仕方や効果的な明朝体の使い方は、それ以前から「ぽい」ものならありました。しかし、エヴァでは随分キャッチーなデザインに昇華し、センセーショナルでした。
「新世紀エヴァンゲリオン」をとりまくこうした一件は、タイポグラフィが優れていた一方、それに感動し食いついてしまったデザイナーも多かったのだということを示していると思います。筆者もデザイナーとして心躍らされた一人です。それだけ、あのタイポグラフィがオーラを放っていたといことでもあります。
こういった優れたタイポグラフィは日常に潜んでいるのですよね。日常の中でも「これイイ!」ってなってしまうデザインは、見過ごさないようにしたいものです。
ちなみにエヴァで使用しているあの極太明朝のフォントですが、フォントメーカー「フォントワークス」の「マティスEB」です。

画像出典:「フォントワークス」サイト(https://fontworks.co.jp/products/font/evamatisse

 

映画のタイトルも要チェックです

映画のタイトルにも秀逸なタイポグラフィがかなり潜んでいます。映画好きの方なら、ちょっと気にして見て見ると良いですよ。
タイポグラフィの中で重要な要素に「字詰め」があります。これは文字と文字の間のアキを調整することを指します。もっと丁寧に「文字詰め」と言ったりもしますし、Adobeのソフトに倣って「カーニング」と呼んだ方が今時しっくり来るかもしれませんね。
この「字詰め」ですが、これが絶妙なタイポグラフィの例があります。1970〜80年代の角川映画のタイトルロゴのデザインが、まさにその例です。
太いゴシック体に字詰めキツキツのタイトルロゴです。文字と文字がくっつかんばかりで1970〜80年代の流行だったのでしょうが、「字詰め」の重要さが良くわかる例です。
「野生の証明」(高倉健主演)とか「復活の日」(草刈正雄主演)とか、ナイス字詰めです。書体自体は太いゴシック体のシンプルなデザインだったりしますが、映像に合った緊張感があります。タイトルロゴのデザインは、装飾を施して「盛る」手法もあります。しかし、禁欲的に字詰め一つの器量でここまでやれてしまうこともあるんですね。それはまるで、シンプルな坊主頭で通しながらいい男で居続けた、高倉健さんにも通じるところがありますね。

 

まとめ

・日常の中にも優れたタイポグラフィは埋もれている
・1970年〜80年代の角川映画のタイトルロゴの字詰めはナイス
・「新世紀エヴァンゲリオン」のタイポグラフィに魅了されたデザイナーは多かった(と思う)

ではまた!

こんにちは。ANGEL VIBESです。フォントデザインにご興味をお持ちの皆さんは、タイポグラフィについてもご興味をお持ちになるのではないでしょうか?
「タイポグラフィ」は簡単に言ってしまえば、文字や文字周りのデザインですが、そもそも、グラフィックデザイン全般において重要な要素となっています。今日はタイポグラフィのお話をしておこうかと思います。

 

タイポグラフィとは?

「タイポグラフィ」(typography)とは、「日本大百科全書」によれば、「印刷物の体裁に影響を及ぼす、文字の書体、大きさ、配列のしかたなど、視覚効果の総称。」です。最初に言ったように、文字や文字周りのデザインと考えて差し支えないでしょう。書体そのもののみならず、文字のレイアウトも含み、「字詰め」や「行間」の調整もその要素です。
文字を含むグラフィックデザインのジャンルであれば、タイポグラフィは避けて通れません。フォントデザインやロゴデザインの、文字そのもののデザイン、また、パッケージデザインの商品名、エディトリアルデザインの文字部分・・・、文字はグラフィックデザインの様々なジャンルのデザイン要素となっています。グラフィックデザインはタイポグラフィ抜きに語れないのです。
それを考えれば、タイポグラフィを制すればグラフィックデザインをも制することができる、と言えるわけです。

 

タイポグラフィの基本

タイポグラフィ、つまり文字周りのデザインについてですが、基本中の基本だけのお話にしておきます。なぜかというと、デザインに正解はない、というのが私のデザインについての考え方なので。時代とともに正解を新しく考案していくのがデザインとも言えるでしょうし。デザインツールの使い方と異なり、私が考えている「こうあるべき」というデザインの理想を誰かに押し付けることには、ほとんど意味がないでしょう。
そんなこともあるので、基本中の基本だけのお話にしておきます。

・文字の大・中・小のメリハリをつける
・本文の文字の平均的な大きさの目安は9ポイント(約13級)
・本文の1行に入る文字数のMAXは32文字
・本文の行間の平均的な大きさは文字の大きさの1.5倍程度
・適切な書体を選ぶ
・適切な字詰め行間の調整をする
・若い層向けなら本文小さめ・字詰めキツキツでOK
・中高年層向けなら本文は平均の大きさ以上・字詰めはキツくしすぎない
・まずタイトル周りのデザインをしっかり決めてしまう
・なるべく読みやすい字切りにする

タイポグラフィで注意する基本項目はこんなところです。

上記項目について、詳細を解説したいと思いますが、いきなり理論に行くのはやめておきましょう。理論通り作業したからといって、デザインがうまくいくわけでもないですから。
それよりも、資料集め兼がね遊びに行きましょう!

 

資料集めに出かけましょう

デザインで何が大事かというと「カッコイイ!」とか「カワイイ!」とか、そういったワクワク感だと思います。そういった感覚的な何かが伝わるデザインは、生き生きして見えます。まずは、自分の感覚というものを確かめる作業をしてみましょう。
では、自分の感覚を確かめるには? となりますが、まず、気になったタイポグラフィのコレクションをしてみましょう。もう、遊びのつもりでOKです! 遊びの感覚で資料集めに出かけてみましょう。
資料集めなら、インターネットでも良いしピンタレスト巡りをしてピンをして回っても良いですが、お散歩がてらあるいはウィンドウ・ショッピングがてらでも構いません、外出をおススメします。
デパート等の好きなショップに行ったりすると、偶然素敵なカタログやリーフレットに出会えたりするものです。気に入ったものはいただきましょう。もちろん万引きはいけませんが、「自由にお持ちください」という無料のカタログ等も置いてありますので。
野外の看板等の写真を撮って回るのも面白いですよ! 世の中、変テコリンなデザインの何かが結構あるもので、普段見過ごしていたりもします。歩いていると、そういったデザインに気づいたりして、驚きがあります。
そんな感じで自分のコレクションが出来て行くわけですが、そういったことをしているうちに、自分の感覚が解って来ます。自分のデザインの理想はこんなかんじだなあ、と。そして「こんなデザインがしたい」と思い理想を形にする時、「本文って通常どれくらいの大きさなのだろう」などと気になる部分が出てくるかと思います。その時、先ほどあげた、タイポグラフィで注意する基本項目をチェックしてみても遅くはありません。
肩の力を抜いて、ラクに楽しく行きましょう。タイポグラフィは本来面白いものなのですから。

先日筆者が観に行った「ベルギー奇想の系譜展」のショーウィンドウ
メリハリが効いたタイポグラフィですね!

 

ショーウィンドウの隅っこにはこんな子が! シャレてますね!

 
続きは次回。

 

まとめ

・タイポグラフィとは文字や文字周りのデザインのこと
・タイポグラフィはグラフィックデザインの重要な要素
・まず、気になったタイポグラフィのコレクションをしてみましょう

ではまた!

こんにちは。ANGEL VIBESです。前回は、Glyphs Miniのメトリクス関連情報の設定の途中まで解説しましたね。今日はその続きです。「キャップハイト」「xハイト」の設定をしてみましょう。
 

「キャップハイト」「xハイト」の設定の前に

混乱している方がいるかもしれないので、「キャップハイト」「xハイト(=「エックスハイト」、Glyphs Miniでの表記は「xハイト」)」の設定の前に、ちょっとメトリクスのお話を復習しておきますね。

フォントの作り方(13)〜メトリクスの話〜」で触れてますが、従来の「欧文書体設計のためのライン」において言う「アセンダー」と、フォント作成ソフトで言う「アセンダー」は、意味が異なります。これはGlyphs Miniにおいても例外ではありません。
厳密には「ディセンダー」についても同じことが言えます。従来の「欧文書体設計のためのライン」において言う「ディセンダー」と、Glyphs Miniにおいて言う「ディセンダー」は、それぞれ指している意味が厳密には異なります。
復習しますね。フォント作成ソフトを利用した現在のフォントデザインの潮流では、一つ一つのグリフが、emスクエアよりも一回り小さくデザインされている例を多く見かけます。そういった事情もあり、Glyphs Miniにおいて「ディセンダー」と言う時に、従来の意味とは厳密にはズレが生じてきているようです。
従来の「欧文書体設計のためのライン」においては、「ベースライン」から「ディセンダーライン」までの部分を「ディセンダー」と呼んでいました。ところが、Glyphs Miniでは「ベースライン」から「ディセンダーライン」までを指して「ディセンダー」とするのではなく、「ベースライン」からemスクエアの下端までを指して「ディセンダー」としてしています。Glyphs Miniを使用してデザインする際、emスクエアよりも一回り小さくグリフをデザインする現在の潮流に従うならば、「ディセンダーライン」の一周り外側までを含んで「ディセンダー」と呼ぶことになってしまっています。従来の「欧文書体設計のためのライン」における場合と、Glyphs Miniにおける場合とでは、このように、細かな部分では意味が異なります。
モヤモヤするかもしれませんが、従来使われて来た文言の意味の細々した部分は、時代とともに変化してしまうことは自然なことでもあります。とりあえず、従来の「欧文書体設計のためのライン」においての文言は、Glyphs Miniにおいて言う全く同一の意味とは限らないので、ちょっとだけ注意しておきましょう。

 

従来の「欧文書体設計のためのライン」
Glyphs Miniで言う「ディセンダー」はemスクエアの高さ下端まで

 

「キャップハイト」「xハイト」の設定

それでは、Glyphs Miniのメトリクス関連情報の設定に戻ります。確認しておきますね。「キャップハイト」は「ベースライン」から「キャップライン」までの高さを指します。そして、「xハイト」は「ベースライン」から「エックスライン」までの高さを指します。
「元AI」では「キャップライン」と「エックスライン」をガイドラインとして描いておきましたね。なのであとはスムースだと思います。ガイドラインを頼りに「キャップハイト」「xハイト」の高さを測ったそのままの数値を、Glyphs Miniのメトリクス関連情報の「キャップハイト」「xハイト」の欄に入力してください。
「Alfalfa」では、「キャップハイト」が「667」、「xハイト」が「493」。なお、小数点以下の端数は整理しました。
そして、「イタリック角度」ですが、デフォルトのままにしておきます。
それから、「アラインメントゾーン」は一番右の黒いボタンを押しておきましょう。自動計算されます。
これで設定はOKです!

「Alfalfa」はこんな感じで設定しました

Glyphs Miniのメトリクス関連情報の設定

 

グリフの画面はこんな感じです

グリフの画面を開いてみてください。小文字だと解りやすいですが、ガイドラインがグリフの「キャップライン」「エックスライン」の位置にぴったり重なっているのが解りますか?

Glyphs Miniのグリフの画面

 

こうしたガイドがあれば、正しい位置を踏襲したフォントがデザインできているかどうか、確認しながら作業ができますね。

 

あとは小文字なしのデザインの時と同じ作業

小文字もデザインする場合、「フォント情報」設定は以上のように、「キャップハイト」「xハイト」も測定した数値を入力しなければなりません。ですが、ここまで出来れば、小文字なしのデザインの時と同じ作業です。グリフをトレースした「元AI」データを、Glyphs Miniに読み込ませていきます。忘れてしまっていたら過去記事(「フォントの作り方(11)〜Glyphs Miniの使い方(後編)〜」あたりからが良いでしょう)を読んでみてください。
スペーシングやカーニングをして、メニューバーから「ファイル」→「出力」を選び、ファイルを書き出せば完成です!

 

まとめ

・Glyphs Miniで言う「ディセンダー」は「ベースライン」からemスクエアの高さ下端まで
・「元AI」のガイドラインを頼りに計測し端数を整理した数値を、「フォント情報」の「キャップハイト」「xハイト」に入力する
・「フォント情報」の設定までできれば、あとは大文字だけのデザインの時と同じ作業

こんにちは。ANGEL VIBESです。今回は、アルファベット・フォントの大文字に加え小文字もデザインする際のお話の続きです。前回までのお話で、Glyphs Miniに読み込ませるためのAIデータ=「元AI」作成まで進みました。ここまで準備が整ったら、いよいよGlyphs MiniにAIデータを読み込ませる作業です。

 

Glyphs Miniを使った作業の流れ(おさらい)

Glyphs Miniを使った作業の流れについておさらいしますね。まず、フォントのデザインを決め、AdobeIllustratorでトレースし、グリフ一つずつの「元AI」を作成、これらをGlyphs Miniに読み込ませてフォントデータ化して完成です。忘れてしまっていたら、「フォントの作り方」の過去記事((3)あたりからがいいでしょうか)を読み返していてください。
で、前回までの解説では、「元AI」の作成まで進みました。小文字のデザインもするならばということで、「元AI用紙.ai」ドキュメント上に、キャップライン、エックスライン、ベースラインをガイドラインとして描きましたね。これを行っておけば、次の作業、Glyphs MiniにAIデータを読み込ませる時にスムースということでした。なぜスムースなのかは、次の作業のお話の中で。

「元AI」にはキャップライン、エックスライン、ベースラインを描く

 

Glyphs Miniを起動したら「フォント情報」の設定

ここからは、Glyphs Miniを起動しての作業となります。Glyphs Miniを立ちあげ新規のドキュメントを開いたら、最初にする作業がありましたね。まず、「ファイル」→「フォント情報」を選び各項目の設定をします。
「ファミリー名」の設定、「クレジット関連情報」の設定、「バージョン」の設定は、大文字だけのデザインの場合と同様に進めてしまってください(忘れてしまってたら、「フォントの作り方(10)」を復習しましょう)。
次に、メトリクス関連情報の設定があります。「アセンダー」「キャップハイト」「xハイト」「ディセンダー」の数値を入力しなければなりませんが、「元AI用紙.ai」ドキュメント上にキャップライン、エックスライン、ベースラインをガイドラインとして描いたことで、スムースに進むはずです。そして、大文字に加え小文字もデザインする場合、Glyphs Miniを使用する手順はここだけ異なります。大文字だけのデザインの場合と異なり厳密に設定しなければならない部分です。

 

メトリクス関連情報の設定は厳密に

メトリクス関連情報には、「ユニット数(UPM)」「アセンダー」「キャップハイト」「xハイト」「ディセンダー」「イタリック角度」がありましたね。
大文字だけのデザインの場合は「キャップハイト」「xハイト」はデフォルトのままで任意の数値が入ってれば良かったのですが、小文字もデザインする場合は、厳密な数値を入れます。

復習を含めつつ順を追って説明しますね。まず、「ユニット数(UPM)」についてです。これはデフォルトのまま「1,000」でOKです。繰り返しの説明になりますが、Glyphs Miniにおけるグリフのマスの高さはemスクエアの高さと同一視でき、「ユニット数(UPM)」という単位で示されます。
Glyphs Miniにおけるグリフのマスのユニット数は、仕様で1,000となっていますが、1,000のままにしておきます。Glyphs Mini上の単位「ユニット」の大きさは、AdobeIllustrator上での単位「ポイント」の大きさに一致します。「元AIデータ」のドキュメントサイズの高さを1,000ポイントに設定したのは、Glyphs Miniにおけるグリフのマスのユニット数である1,000ユニットに合わせるためです。
このように設定しておけば、AdobeIllustrator上のAIデータをGlyphs Miniに取り入れた時に、「元AI」の1,000×1,000ポイントの位置合わせ用のラインが、Glyphs Mini上のグリフのマスの高さである1,000ユニットにピッタリ重ねられます。

次に「アセンダー」と「ディセンダー」です。Glyphs Mini上の「ユニット」の大きさはAdobeIllustrator上の「ポイント」の大きさに一致するので、「元AIデータ」上の数値が、そのままGlyphs Miniにおける数値になります。したがって、AdobeIllustrator上の「アセンダー」と「ディセンダー」の高さを測り、Glyphs Miniのメトリクス関連情報にそのまま入力すればいいわけです。「元AI」のベースラインからドキュメント上端までの高さが「アセンダー」、ベースラインからドキュメント下端までの高さが「ディセンダー」となります。
高さを測った時「元AI」上で端数が出ていたら、切り捨てるなどして調整しましょう。ただし、「アセンダー」と「ディセンダー」の高さの合計は1,000になるようにします。

復習します。

emスクエア(の高さ)=アセンダー+ディセンダー

でしたね。

なので端数が出た時の調整では、「アセンダー」と「ディセンダー」の高さの合計は1,000になるようにしなければならないのです。

 

Glyphs Miniの画面。グリフのマスの高さは1,000ユニット(UPM)です。
元AIデータの高さ1,000ポイントは、これに合わせています。

Glyphs Mini画面

次は「キャップハイト」「xハイト」の設定ですが、続きは次回。

 

まとめ

・小文字のデザインでは「キャップハイト」「xハイト」を厳密に設定
・Glyphs Miniの仕様では、1つのemスクエアの高さ=1,000ユニット(UPM)
・emスクエア(の高さ)=アセンダー+ディセンダー

ではまた!

こんにちは。ANGEL VIBESです。前回はアルファベット・フォントの大文字に加え小文字もデザインする際には、作業それぞれの段階で「エックスライン」を設定する必要がある、というところまでお話しました。では今回は、小文字のデザインについて、それぞれの段階での「エックスライン」の設定をふまえた説明をしていきたいと思います。私がデザインしたフリーフォント「Alfalfa」を例にしてみます。

「Alfalfa」というオリジナルフォントです

画像出典:「ANGEL VIBES」サイト

 

デザイン決め〜下描き

前回の説明ではHelveticaの例をお見せしました。例を参考に、エックスラインはだいたいこの位置で、グリフそれぞれの部分によっては高さを揃えれば良いんだな・・・ということをちょっと頭の片隅においていただければと思います。そうしてデザインしていれば、統一感は自然と出て来ますよ。

デザイン決めの段階では、注意するのはそれぐらいです。

デザインが決まったら下描きをしていきますが、これは以前にも説明したとおり、「下描き用紙」に下描きします。この下描きが次の作業で下絵となります(詳細は、「フォントの作り方(3)」で説明しています)。
なお「下描き用紙」は、ANGEL VIBES オリジナルのものもありますので、こちらからダウンロードして使っていただいて構いません。
下描きの仕方は以前説明したとおり、デザインしたラフを「下描き用紙」に書き写していけば良いのですが、小文字をデザインするなら、まずこの段階でエックスラインの設定が必要となります。この段階でエックスラインの位置を決めてしまい、エックスラインに高さを揃える箇所はしっかり揃えましょう。

「Alfalfa 」はこんな感じで下描きしました。

 

下描きでもエックスラインに揃えるべき箇所は揃えます。

 

次は下描きをスキャニングしAdobe Illustratorでトレース

下描きした後は、下描きした下絵をスキャニング→AIドキュメント「トレース用紙.ai」上に下絵を配置→トレースして保存、という手順となります。これは「フォントの作り方(4)」で説明したとおりです。
なお「トレース用紙.ai」は、ANGEL VIBES オリジナルのものもあります。というか、おそらくどこにも売っていないと思います。私的に使うのは無料なのでこちらからダウンロードして使っていただいて構いません。

 

「Alfalfa」はこんな感じでトレースしました。

「Alfalfa」大文字
「Alfalfa」小文字

 

Glyphs Miniを使った作業の流れ

ここからは、トレースしたAIデータを一つ一つコピー&ペーストして拡大→グリフ一つ一つをAIデータとして保存→フォント作成ソフトに読み込ませる、という作業の流れです。「Alfalfa」はGlyphs Miniで作成しましたので、Glyphs Miniを使った作業の流れを説明します。

「フォントの作り方(10)」で説明していますが、次は、「トレース用紙.ai」ドキュメント上でトレースしたグリフ一つ一つに四角い囲みを印としてつけ、そのグリフを印と一緒に1,000×1,000ポイントのドキュメントの「元AI用紙.ai」に、コピー&ペーストして拡大し、グリフ一つ一つをAI形式で保存します。保存の際は別名保存し、「元AI用紙.ai」の名前ではなく、グリフ名をつけて保存してください。
こうして、「元AI」のフォルダに「A.ai」、「B.ai」、「C.ai」、・・・とグリフ一つ一つのAIデータが揃うことになります。なお、このグリフ一つ一つのデータは、「元AI」と呼んでおきましょう。

ここまでは「フォントの作り方(10)」で説明したとおりです。ただ、小文字もデザインする時は、「元AI用紙.ai」でエックスラインを設定することになります。

「Alfalfa」の例で説明すると、「トレース用紙.ai」上では、ベースラインからエックスラインまでの高さは37mm(エックスハイト)に設定しました。グリフそれぞれのエックスラインに合わせるべき箇所はその高さに合わせています。
そして、四角い囲みの印は「トレース用紙.ai」上のグリフでは75×75mm(「Alfalfa」では75mmの正方形にしましたが、だいたいそれくらいの大きさということで、厳密に75mmでなければならないということではありません)に設定しています。
次の作業では、この印とトレースしたグリフを一緒に「元AI用紙.ai」にペーストしますが、小文字をデザインする場合は、「元AI用紙.ai」にキャップライン、エックスライン、ベースラインをガイドラインとして描いておきます。
75mmを1,000ポイントに拡大する前提で比率を合わせれば良いわけだから、「トレース用紙.ai」上でのキャップハイトは50mmなので、「元AI用紙.ai」上では666.665ポイント(約666ポイント)となります。そして、エックスハイトは37mmなので、同比率で拡大すると493.355ポイント(約493ポイント)となります。
ペーストしたら、印の四角形(75×75mm)とグリフを一緒に拡大し1,000×1,000ポイントのドキュメントの四隅に合わせます。比率の計算が間違ってなければ、それぞれ、キャップライン、エックスライン、ベースライン、に重なるべき箇所は、ピッタリ重なるはずです。

 

「トレース用紙.ai」上のグリフは「Alfarfa」ではこんな感じで囲みの印をつけました

 

「元AI用紙.ai」上にペーストして拡大するとこんな感じ

 

「元AI用紙.ai」にキャップライン、エックスライン、ベースライン、をガイドラインとして描いておくのは少々面倒かもしれませんが、これを行っておけば、次の作業でGlyphs MiniにAIデータを読み込ませる時にスムースです。
その理由については、また次回。

 

まとめ

・小文字もデザインするなら、図案を決めるときにエックスラインを意識する
・下描き〜トレースの段階ではエックスラインを決めて作業
・「元AI用紙.ai」にはキャップライン、エックスライン、ベースラインをガイドラインとして描いておく

では、また!

こんにちは。ANGEL VIBESです。フォント作成ソフトを使ったアルファベット・フォントのデザインについて、説明した回もありますが、流れはだいたい解りましたか? 慣れるまでは無理せず、大文字だけデザインしてみても良いと思いますが、今日は、そろそろ小文字も一緒にデザインしてみたいという方に向けたお話をしようと思います。

 

「欧文書体設計のためのライン」をおさらい

「フォントの作り方(13)」でも説明しましたが、フォントの世界には、従来から「欧文書体設計のためのライン」があり、これがフォントのデザインやレタリングを行う上でのガイドラインとなっていました。デジタルによるフォントのデザインが始まる以前から用いられてきたわけで、これは今日のフォント作成ソフトの「メトリクス情報」のルーツとなってもいます。
今回は大文字だけでなく小文字もデザインするということなので、「欧文書体設計のためのライン」について振り返っておきましょう。大文字だけなら、「アセンダーライン」「ベースライン」「ディセンダーライン」ぐらいを覚えておけば良いですが、小文字をデザインするために「エックスライン」をチェックしておきたいのです。

 

従来の「欧文書体設計のためのライン」


再度、掲載しましたよ。図を見ると解るかもしれないですが、アルファベット・フォントの小文字をデザインする際には、「アセンダーライン」「ベースライン」「ディセンダーライン」に加え、「エックスライン」が重要なラインとなります。小文字の「g」の上端に接するラインとなっていたりするこの「エックスライン」ですが、グリフの部分によってはこのラインに高さを揃えた方が、フォント全体として見た時に統一感が出ます。

 

Helveticaの小文字を当てはめてみると・・・

アルファベット・フォントの小文字において「エックスライン」がどう介在しているのか、おそらく見てただいた方が早いかと思います。Helveticaの小文字を例に、「欧文書体設計のためのライン」にあてはめてみました。

Helveticaの小文字

およそこんな構造になっているんだな・・・という認識があれば、デザインもいやすいと思います。こことここの高さを揃えると統一感が出るんだな、という部分は覚えておきましょう。

 

小文字を含めたアルファベット・フォントのデザインの流れ

小文字を含めたアルファベット・フォントの実際のデザインの流れですが、それは今までの「フォントの作り方」で説明してきたとおりです。大文字だけのフォントをデザインする時も小文字も含めてデザインする時も、流れは変わりません。

オリジナルフォントを作成する手順をまとめると、
1. 図案を決め、紙に下書き
2. 下描きした図案をスキャンしトレースし、AIファイルで保存
3. AIファイルをフォント作成ソフトに読み込ませフォントデータ化
というものでした。

流れについては、
フォントの作り方(3)〜Fontographerの使い方(前編)〜
フォントの作り方(4)〜Fontographerの使い方(中編)〜
でも解説しています。

 

ただ、小文字デザインの設定が必要

上に説明したとおり、アルファベット・フォントのデザインは、大文字だけの時も小文字も含めての時も、その流れは変わりません。ただ、作業それぞれの段階で、「エックスライン」を設定する必要がります。
まず、図案を決め、下書きをする段階で、エックスラインを設定します。この設定によりエックスハイトも決まるので、トレースしてAIファイルを作成する際にも、フォント作成ソフトに読み込ませる際にも、エックスハイトを反映することとなります。
詳細は次回。

 

まとめ

・アルファベット小文字デザインには「エックスライン」が不可欠
・大文字だけの時も小文字を含めての時も、アルファベット・フォントのデザインの流れは変わらない
・小文字をデザインするなら、作業それぞれの段階で「エックスライン」を設定すべし

ではまた!

こんにちは。Angel Vibesです。文美国保は、一定の年収を超えると地方自治体の国保よりお得になりますよ、というのが前回の話でした。文美国保がお得なのはそれだけじゃないんです。人間ドックを受ける際の補助金支給制度などもあります。
今日は前回に引き続き、文美国保のお得情報についてのお話です。

 

そもそも「文芸美術国民健康保険組合」ってどんな団体?

そもそも「文芸美術国民健康保険組合」がどんな団体かというと、文美組合のWebサイトに「当組合は昭和28年4月1日国民健康保険法に基づき、厚生省(現 厚生労働省)の認可を経て設立し、国の事業を代行する公法人です。」(出典:「文芸美術国民健康保険組合」Webサイト)とあるように、現・厚生労働省に認可された団体で、保険給付や保険事業を行っています。そうした事業の一環として、医療費の負担、組合員の出産育児一時金や葬祭費の支給、そして、人間ドックの補助金支給などをやっているんですね。
文美国保の保険料の話ばかりして失礼しましたが、そもそもはそういった団体です。

 

文美組合のWebサイト

 

医療費負担、自治体の国民健康保険との比較

文美組合の「事業案内 加入の手引き」によれば、文美国保の医療費の自己負担は
・組合員・家族共に3割
・就学児未満は2割
・70歳以上は1〜3割
となっています。
これは自治体の国保と同じです。自治体の国保から文美国保に乗り換えたとして、被保険者カードのデザインが変わる程度で、それまでと変わらない医療費の自己負担割合となります。

文美組合の「事業案内 加入の手引き」。
文美国保加入の案内として、JIILAから配布されました。

 

文美国保なら、コースによっては人間ドッグが実質タダ!

一定の収入を超えれば、文美国保の保険料は自治体の国保の保険料よりも安上がりになってお得というのは、お話してきたとおりです。そして、文美国保でもう一つお得情報として推したいのは、人間ドックの補助金支給制度です。この補助金のおかげで、コースによっては、人間ドックが実質タダで受けられます。実際私はこの補助金のおかげで、実質タダで人間ドックを受けることができました!
確かに自治体によっては、国保の人間ドック補助金支給制度があったりします。でも、自治体によって金額も内容もバラバラです。文美国保なら住んでいる自治体に関わらず補助金支給が受けられます。補助金の支給制度があまり充実していない自治体にお住まいの方ならなおさら、文美国保への加入をおススメします。

文美国保の補助金支給額は以下のような取り決めとなっています。

●75歳未満の方が人間ドックを受けたとき(1人年度内1回)
 ・組合員 23,000円以内
 ・家 族 18,000円以内
●満50歳の方が人間ドックを受けたとき(1人年度内1回)
 ・組合員 34,000円以内
※ただし、組合加入後1年以上継続の方。
受診時に東京都在住の方については、補助額に4,000円まで増額して助成。
また、受診時に40歳以上の方で特定健診項目が含まれている場合、10,000円まで増額して助成。
(出典:「事業案内 加入の手引き」/文芸美術国民健康保険組合)

なお補助金の支給は人間ドックを受けた後日の後払いとなっていますので、それだけはご注意ください。

人間ドックの他、特定健康診査・特定保健指導などの補助金支給制度もありますので、ご興味あれば以下もご覧くださいませ。

●特定健康診査・特定保健指導(1人年度内1回)
 ・特定健康診査(40~74歳の被保険者) 14,000円以内
 ・特定保健指導(特定健診の結果、特定保健指導が必要な方) 積極的支援 35,000円以内

●75歳以上の方が健康診断を受けたとき(1人年度内1回)
 ・特例組合員 12,000円以内
(出典:「事業案内 加入の手引き」/文芸美術国民健康保険組合)

 

人間ドックの補助金支給を受ける手順

人間ドックの補助金支給を受ける手順です。
年に一度人間ドックの案内が郵送されてきますので、自分に合ったコースを選び人間ドックの申し込みをしたら、文美組合案内の医療機関で人間ドックを受けます。この時は自腹で料金を支払います。後日診察結果の書類が送られてくるので、そのコピーと共に必要な申請書類を文美組合に送り、補助金支給申請をします。すると後日、銀行口座に補助金が振り込まれます。

 

健康診断を受ける機会をいくつか用意すると安心

私は、文美国保の人間ドックを受けているけれど忘れた時は「青色ドック」を受ける、というお話を、青色申告会の解説の時にしたと思います。
これは人間ドックの機会を複数持っておくということですが、その方が安心です。
デザイナーは、ただでさえ不規則で慌ただしいです。人間ドックの申し込みを忘れてしまうこともあります。そんなミスがあっても大丈夫なように人間ドックの機会を複数持ってくというのも、私はアリだと思っています。

 

まとめ

・文美組合は現・厚生労働省に認可された団体
・文美国保の医療費負担割合は自治体の国保と同じ
・文美国保なら人間ドッグのコースによっては、実質タダ!

ではまた!

こんにちは。Angel Vibesです。「文芸美術国民健康保険」って知ってますか? フリーランスで国民健康保険に加入しているデザイナーの方なら、一定の収入を超えている場合は、「文芸美術国民健康保険」の方が健康保険料が安く済んでお得です。今日は、そんな「文芸美術国民健康保険」のご紹介です。

 

「文芸美術国民健康保険」とは?

「文芸美術国民健康保険」は、日本国内に住所を持ち、文芸・美術・著作の活動に従事している人々が入ることができる、国民健康保険です。フリーランスのデザイナーやイラストレーターなども対象となります。
なお、文芸美術国民健康保険に加入するには、文芸美術国民健康保険組合に加盟する団体の会員になっていることが、必要な条件となっています。また、そうした団体の会員になりさえすれば、会員本人の家族も文芸美術国民健康保険に加入することができます。「文芸美術国民健康保険組合」のWebサイトに、詳しい説明があります。
文芸美術国民健康保険は「文美国保」と略して呼ばれることもあります。

 

「文芸美術国民健康保険組合」のWebサイト

 

「文芸美術国民健康保険」のメリット

この文美国保は、地方自治体の国民健康保険に比べると、一定の収入を超えた場合には実はお得なんです。
国民健康保険には、文美国保の他に地方自治体の国民健康保険があります。派遣社員なども含めフリーランスの立場で収入を得ている場合、国民健康保険を支払ってると思います。自治体の国民健康保険は、それぞれの自治体で支払い金額が異なりますが、年間の収入によって金額が変化する「変額制」の仕組みとなっています。収入が増えるのに伴い、支払い金額も高くなります。
それに比べ、文美国保は、年間の収入によって金額が変化することのない「定額制」となっています。なので、一定の収入を超えれば、文美組合加盟団体への会費等の支払いがプラスされるとしても、年間に支払う自治体の国民健康保険料が、文美国保の保険料を上回ることになります。一定の収入を超えれば、文美国保の方がお得ですね。

 

「文芸美術国民健康保険」のデメリット

このように、一定の収入を上回った場合は文美国保の方がお得です。でも、収入によっては、年間に支払う自治体の国民健康保険料の方が、「文美国保の保険料+加盟団体に支払う会費等」よりも安くなる場合も当然あります。
これでは、文美国保の方が高くついて損をします。
この辺りはバランスを考えて判断するしかありませんが、ある程度安定的に一定の収入を得られるようになってから、文美国保に加入しても良いかもしれません。あとは、年収が落ちないように働くしかありませんね。

 

「文芸美術国民健康保険」に加入する方法

文美国保に加入するには、まず、文美組合加盟団体の会員になりましょう。加盟団体には文美国保への加入申込書が用意されています。
文美組合のWebサイトに加盟団体の一覧がありますので、文美国保に加入したい方は、自分が入ることができる条件を満たしている団体を探してみてください。
条件をクリアし会費などを支払えば、団体の会員になることができます。文美国保に加入するための、団体からの手続きのご案内もあるので、あとは、その案内に従って書類を提出します。この手続きと共に、自治体の国民健康保険を脱退するための書類も提出することになります。
手続きが全て完了したら、文美国保の被保険者カードが送られてきます。

 

「文芸美術国民健康保険組合」に加盟している団体

文美組合加盟団体は、文美組合のWebサイトを見てただければ分かりますが、デザイン関連の加盟団体をちょっと掲げてみましょうか。

・日本イラストレーション協会
・日本インダストリアルデザイナー協会
・日本グラフィックデザイナー協会
・日本クラフトデザイン協会
・日本サインデザイン協会
・日本タイポグラフィ協会
・日本空間デザイン協会
・日本パッケージデザイン協会

デザイン関連の他では、日本アニメーション協会、日本写真家協会、日本漫画家協会などがあります。

 

「文芸美術国民健康保険」加入でどれくらいの支払いに?

文美国保加入でどれくらいの支払いになるかといえば、文美国保の保険料の他に文美組合加盟団体への支払いも含みますが、その合計を考えてみます。
私の例で恐縮ですが、私は日本イラストレーション協会(JILLA)の会員となり、文美国保に加入しました。知っている団体なので、日本イラストレーション協会の例をご紹介します。

日本ラストレーション協会加入には、個人なら
・出資金 一口 5,000円/5口以上 = 25,000円以上
・賦課金 2,000/月 = 年24,000円

かかります(2017年5月現在)。
なお、出資金は毎年支払うものではなく、基本的に出資額を上限として脱退時に払い戻しされます。賦課金は要するに年会費です。
なので、初年度は最低49,000円必要で、次年度からは年24,000円の賦課金のみが必要です。
(出典:「日本ラストレーション協会」Webサイト/加入について

そして、文美国保の保険料ですが、JILLA会員本人なら
・医療保険料 月額19,600円
・介護保険料 月額4,000円

かかります(2017年5月現在)。
医療保険料の内訳は、医療保険分16,000円、後期高齢者支援金分3,600円となります。年間合計では235,200円かかります。
介護保険料は、満40歳から64歳までの被保険者が支払うことになっています。年間では48,000円かかります。
(出典:「日本ラストレーション協会」Webサイト/文芸美術国保

合計すると、個人でJILLA会員本人かつ満40歳未満なら、2年目からは年間259,200円です(初年度は出資金が加算されます)。
自治体の国保は、自治体によって料金が異なりますが、年間の支払い額と比べてみていかがですか?
高く支払っているようなら、文美国保への乗り換えを検討してみても良いと思います。
 

日本ラストレーション協会のWebサイト

 

まとめ

・文美組合加入には同組合の加盟団体に入会する必要がある
・文美国保にするなら、保険料+文美組合の加盟団体へ支払う会費等が必要
・文美組合加盟団体に文芸組合への申込書が用意されている

ではまた!

こんにちは。Angel Vibesです。前回の続きで解像度の話です。入稿データを作る際に写真などの画像は「360dpi原寸で配置されている状態にする」と説明しましたが、では実際どんな流れで作業するんだろう? という疑問も出てきますよね。今日はそのお話を中心に解説したいと思います。

 

画像解像度の算出方法

雑誌などの主な紙媒体に使用する写真などの画像は、原寸で配置した時に360dpiになるようにするべし、というお話はしてきましたね。ところで、その「360」という数値はどうやって算出されたのか、気になる方もいらっしゃいますよね?

画像解像度は
スクリーン線数×2
が目安となっています。

雑誌などの主な紙媒体のスクリーン線数は、だいたい175線ぐらいです。なので、360dpiあれば画像解像度としては丁度良いということです。

 

「スクリーン線数」とは?

ところで、「スクリーン線数」とは何でしょう? これも解像度の一種で、印刷物の網点の密度を表す尺度です。網点の密度が高ければ精密な印刷物となります。単位は「線」や「lpi」で、印刷物の1インチの1辺に収められる網点の数によって表されます。
「スクリーン線数」は、印刷物の「網点」の密度ということはありますが、ピクセルやドットと同様、「点」の密度を示す尺度であるということについては、他の「解像度」の考え方と共通していますね。

 

配置画像360dpi原寸で入稿データを仕上げる方法

入稿データを作成する際は、配置画像は原寸で配置した時に360dpiになるように作業するべし、というお話はしてきましたね。では、実際の作業手順はどうなっているのか? というお話です。

1枚のフライヤーをデザインするとします。配置画像として使用する写真などの画像を選別し、AdobeIllustratorのドキュメント上に画像を配置します。とりあえず、レイアウトまでしてしまいましょう。
メニューバー「ファイル」→「配置」で画像が配置できます。この過程で「配置」ダイアログボックスが表示されますが、「リンク」をチェックしておきましょう。そうしないと、画像が埋め込まれてしまいます。これでは、ドキュメント上に読み込まれた元の画像が修正されても、ドキュメント上の配置画像に修正が反映されません。

レイアウトまで出来上がり配置画像の大きさが決まりましたら、元の画像をAdobePhotoshopで開き、必要な設定をしていきます。
メニューバー「イメージ」→「画像解像度」を開きます。「画像解像度」ダイアログボックスが表示されるので、「画像の再サンプル」のチェックを外し、「解像度」は「360」に設定します。こうすると、データの総容量を変えずに、解像度を設定することができます。なお、データの総容量は、ダイアログボックス上部に「ファイルサイズ」で示されます。
デジカメで撮った写真は、デフォルトでは72dpiで保存されている場合もあるので、解像度の数値は必ず確認しましょう。
それから、「画像の再サンプル」のチェックを外すのも忘れずにしましょう。これをしないで解像度を上げると、データの総容量も大きくなり、無駄に重いデータになります。まず、データの総容量が変わらない状態で、解像度を変えるようにしましょう。

「解像度」を「360」に。「画像の再サンプル」も忘れずにチェックを外す。

 
「解像度」を「360」に設定したら、「ドキュメントのサイズ」を、Illustratorドキュメント上の配置画像の「幅」と「高さ」に(Illustratorのドキュメント上では、画像を選択した状態にすれば、上部コントロールパネルに「W」=幅「H」=高さが表示されます。)合わせます。「解像度」の設定の時と同様に、メニューバー「イメージ」→「画像解像度」で、「画像解像度」ダイアログボックスを表示します。ここで「ドキュメントのサイズ」の設定を変更します。「縦横比を固定」をチェックしておけば、「幅」か「高さ」どちらか一方に入力すれば、自動的にもう一方の数値も変わります。今度は、ダイアログボックスの「画像の再サンプル」をチェックして、この作業を行ってください。
「画像の再サンプル」をチェックした状態で画像の幅と高さを小さくすれば、画像の総容量も小さくなります。無駄のない総容量の画像データとなるわけですね。
後々、クライアントから修正が入る場合も想定し、画像のドキュメントサイズの数値を少し大きめに設定しても良いと思います。

「ドキュメントのサイズ」を変更。今度は「画像の再サンプル」のチェックをする。
総容量=ファイルサイズが小さくなる。

 
配置している元の画像の設定は、これで完了です。この作業が済んだらIllustratorのドキュメント上に戻り、忘れずに画像の「リンクを更新」しましょう。「リンク」パネルで「リンクを更新」してください。これで、配置した元画像の変更がレイアウトに反映されます。

これでOKです。こうすれば、データの総容量を無駄に増やすことなく、かつ適切な解像度の原寸の画像を配置することができます。

 

入稿時はデータの総容量は無駄に増やさない

理論的には、配置する元画像の画像解像度を360dpiに設定すれば、Illustratorドキュメント上に配置した時以上の大きさで、画像の「ドキュメントのサイズ」を設定しても、クオリティが保たれた印刷が可能となります。だからといって、画像の総容量を必要以上に大きくして入稿するのは避けた方が良いです。出来る限り画像の総容量は小さくした方が、印刷の版を出力する時にも機械やシステムの負担が少ないです。それは印刷会社さんの負担を、少しでも減らすことにつながります。入稿は印刷会社さんが作業をしやすいよう、スマートにいきたいものです。

 

配置画像は入稿時には「埋め込み」が奨励されている場合もある

Illustratorドキュメント上に配置する画像は、「リンク」の設定で作業してきました。この方が、元画像の設定を変更した際に、ドキュメント上の配置画像に反映しやすいからです。
けれど印刷会社さんによっては、入稿の際、配置画像は「埋め込み」を行うことを奨励している場合もあります。「埋め込み」をしていれば、配置した元の画像を添付しなくても大丈夫なので、画像の添付のし忘れのような入稿時のトラブルを防ぐこともできます。「埋め込み」奨励の場合は、作業の最後に「埋め込み」を行ってください。
一方で、画像を埋め込むとIllustratorドキュメントのデータの容量が大きくなるというデメリットもあります。
この辺りは印刷会社さんの方針もあるので、「埋め込み」が奨励なのかそうでないのか、確かめてから入稿しましょう。

 

まとめ

・360dpi原寸で画像を配置した状態にするには、
 元画像はPhotoshopで開き、メニューバー「イメージ」→「画像解像度」で、
  ★「解像度」を「360」にする
  ★Illustratorドキュメント上の配置画像と同じ「ドキュメントサイズ」にする
・Illustratorドキュメント上でリンク画像の更新も忘れずに

ではまた!

こんにちは。Angel Vibesです。前回は解像度の話をサササっとしてしまいましたが、今日はもう少し具体的に説明しておこうかと思います。「解像度」というと実は複雑な部分もありますので、ちょっと整理しておいた方が良いでしょう。

 

解像度の単位「dpi」と「ppi」の違い

先に細かい話をしておきますね。画像解像度の単位は「dpi」だというお話はしました。印刷を過程に含むデザインの実務上では、画像解像度の単位は「dpi」として扱われがちですが、厳密に言うと「ppi」です。AdobePhotoshopでは、画像解像度の単位は「dpi」ではなく「ppi」を充てています。デザインの実務上では「dpi」と「ppi」は同義に扱っていて差し支えありませんが、厳密には異なります。

違いは次のような点です。

「dpi」
・dots per inchの略
・ドットによって構成される
・「ドット」は印刷で言う網点なども指す物理的な最小単位

「ppi」
・pixels per inchの略
・ピクセルによって構成される
・「ピクセル」はコンピュータで画像を再現する際の仮想の最小単位

デザインの実際の作業ですが、画像データを扱う際には、AdobePhotoshopを用いてパソコンのモニタで見ながら行います。モニタでは、ドットとピクセルが1対1で対応するので、画像解像度の「dpi」と「ppi」を同義として扱って特に問題はありません。また、両者を同義として扱うのが、慣習にもなってしまっている場合もあります。
ただしこれは、デザインの現場単位の話でもあるということもあり、まして、今後どうなるかはわかりません。「dpi」と同義で扱う「ppi」という単位もあるということだけは覚えておいた方が良いでしょう。

 

Photoshopでは「pixels per inch」ですね

 

画像解像度の考え方

 

画像解像度と印刷解像度は分けて考える

「解像度」と言っても、画像解像度と言う時と印刷解像度(プリンタ解像度)と言う時とは、考え方が異なります。両者は混同できないので注意が必要です。
印刷解像度は、それでも「解像度」と言うのだから、「1インチあたりのドット数」を意味することに変わりはありません。ただ、印刷機の性能によって出力の際の解像度は固定されています。例えば解像度2800dpiの印刷機の場合は、印刷した印刷物の1インチの1辺あたりに2800個のドットが収まっている状態となります。なのでこの場合、360ppiの画像解像度でデータを作ったとしても、100ppiの画像解像度でデータを作ったとしても、印刷解像度2800dpiで印刷されるわけです。ただし、印刷物となった時に2800dpiのクオリティを得るためには、データを作る時点で画像解像度が一定数に達していなければならないと言うことです。
紙媒体の印刷に必要な画像解像度の目安は「360dpi」と、耳にすることはあると思います。これは、一般的な印刷物であれば、こうした印刷物の印刷機やイメージセッター(オフセット印刷の版を出力する機械)の印刷解像度に対応した画像解像度が、360dpiと言うことですね。

 

「解像度」は使用シーンによって意味が異なる場合がある

「解像度」といっても、画像解像度と印刷解像度があるということまで分かっておけば、作業過程に印刷を含むデザインの実務は問題なく行えるでしょう。
ともかく、「解像度」は使用シーンによって意味が異なる部分があるので、注意が必要ではあるのです。画像解像度が「密度」を示す尺度であるのに対し、デジタルカメラで言う解像度は、画素の「総量」を示している、なんていうこともあります。この辺りは、実務の使用シーン別に確認しましょう。

 

まとめ

・解像度の単位には「dpi」の他に「ppi」がある
・AdobePhotoshopの解像度の単位は「ppi」
・画像解像度と印刷解像度は分けて考える

ではまた!